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空き家・空き地に関する全般的なお話

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ほたか総合法律事務所 高橋純弁護士 028-636-6701

① 隣の空き家の樹木が自宅の塀を越えて繁茂しています。勝手に枝を切ってもいいんですか?

 

 勝手に枝を切るのは問題です。

 ただし、民法上、樹木の枝が越境している場合、所有者にその枝を切らせることが可能ですので、隣の空き家の持ち主に枝を切るよう求めることができます。

② 空き地の竹が放置されていて伸び放題です。自宅の庭にも生えてきてしまうのですが、勝手に切ってもいいのですか?

 

 原則として、切ることができます。

 民法上、樹木の根が越境している場合、その根を切り取ることが可能です。

 したがって、空き地の竹が自宅の庭にも生えてきた場合には、原則として、その竹を切ってしまっても問題ありません。

 ただ、根の影響がわずかな場合など、判断に迷う場合には、弁護士にご相談ください。(法律に関する相談先は文末参照)

 

③ 空き家の名義が死亡した父のままです。空き家の管理は誰がするのですか?

 

 空き家の管理は、原則として、相談者様を含むお父様の相続人が行うことになります。

 ただし、遺産分割協議が成立している場合など、具体的に空き家を相続する人が決まっている場合には、その人が空き家を管理することになります。

④ 空き家の相続人はどのような方法で調べることができますか?

 

 不動産の登記事項証明書には、所有者の住所と氏名が記載されています。そこで、空き家の住所を調べた上で、法務局で登記事項証明書を取得し、空き家の所有者の住所及び氏名を確認することが可能です。

 登記上、空き家の所有者が死亡した人のままである場合、その人の住民票の除票を取得することにより本籍を確認することが可能です。

 本籍が確認できましたら、本籍地の市町村役場から登記名義人の戸籍を取得することが可能です。

 そして、戸籍からたどって、夫婦や親子関係が記載されている戸籍を取得することにより、空き家の相続人を調べることが可能です。

 ただし、不動産の登記事項証明書は誰でも取得することができますが、住民票の除票や戸籍を取得するには、法律上、自己の権利を行使するために戸籍の記載事項を確認する必要があることを説明する必要があります。

 実際に住民票の除票等を取得できるケースか否かについては、弁護士や市町村役場の窓口にご相談ください。(法律に関する相談先は文末参照)

 

⑤ 隣の空き家の所有者の所在が分かりません。どのようにすれば連絡が取れますか?

 

 法務局で空き家の登記事項証明書を取得することにより、空き家の所有者の住所と氏名を確認することが可能です。

 もっとも、空き家が登記されていない場合、登記事項証明書を取得することができません。この場合には、空き家の土地の登記事項証明書を取得した上で、土地の所有者に建物の所有者を確認することが考えられます。

⑥ 一部の相続人と連絡がつかなくて困っています。どうすればいいですか?

 

 ④で述べましたとおり、空き家の相続人の戸籍を取得することが可能です。

 そして、連絡がつかない相続人の戸籍の附票を取得して住所を調べることが可能です。

 戸籍の附票は、連絡がつかない相続人の本籍地の市町村役場で取得することができますが、戸籍の附票を取得するには、住民票の除票等と同じく、法律上、自己の権利を行使するために戸籍の記載事項を確認する必要があることを説明しなければならないものとされています。

 実際に戸籍の附票を取得できるケースか否かについては、弁護士や市町村役場の窓口にご相談ください。(法律に関する相談先は文末参照)

⑦ 老朽化した母名義の空き家があります。相続人は5人いますが、私だけの判断で解体してしまっても問題ありませんか?

 

 相談者様だけの判断で解体するのは問題です。

 相続人が複数いる場合、空き家は相続人らが共有していることになります。したがって、遺産分割を行わないまま、他の相続人の同意を得ずに解体を行うと、他の相続人の権利を侵害する可能性があります。

 したがって、空き家を解体する場合には、遺産分割協議を行って自分が空き家を単独で相続するか、空き家の解体について他の相続人全員の同意を得ることが考えられます。

 

⑧ 空き家の雑草が枯れて燃えやすい状態です。火をつけられたら空き地の持ち主にも責任があるのですか?放置した行政に責任はないのですか?

 この場合に責任を負うのは実際に空き家に火をつけた人であり、空き地の持ち主や行政に法律上の責任は発生しないと考えられます。

⑨ 先日の台風で、隣の空き家の屋根が壊れ、瓦等が私の所有する駐車場に大量に崩れ落ちてきました。この瓦等を空き家の所有者に撤去してもらうことはできますか?

 

 撤去してもらうことは可能です。

 空き家から崩れ落ちてきた瓦等は、相談者様の土地の所有権を侵害しております。したがって、相談者様は、空き家の所有者に対して、土地の所有権に基づき、瓦等の撤去を請求することができます。

 空き家の所有者が任意に瓦等を撤去しない場合には、撤去を求める裁判を提起する等の対応を考える必要があります。

⑩ 近所の空き家に不審な人が出入りしていて不安です。どうすればよいでしょうか?

 

 まずは空き家の所有者に連絡をして、空き家に出入りしている人が空き家の所有者と関係がある人かどうかを確認してみましょう。

 空き家に出入りしている人が空き家の所有者の関係者でない場合には、空き家の所有者から不審者に対して空き家に立ち入らないように申し入れてもらいましょう。

 空き家の所有者からの申入れにもかかわらず、不審者が空き家への出入りを続ける場合には、住居侵入罪が成立する可能性がありますので、警察に相談しましょう。

【法律に関する相談先】

・市役所における予約制の各種相談 詳細はこちら
・栃木県弁護士会の法律相談 028-689-9000(代表)

記事掲載日 2020/12/8
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